立ち泳ぎは古式泳法にも取り入れられている泳ぎ方「あおり足・踏み足・巻き足」

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立ち泳ぎは古式泳法にも取り入れられている泳ぎ方「あおり足・踏み足・巻き足」

泳げない人からすれば、足もつかない深い海やプールで、立ち泳ぎをしている人見ると、立ったまま浮かんでいるのが不思議に映りませんか?

立ち泳ぎは、水球やアーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)などではできることが第一条件の泳ぎ方です。また、日本赤十字社の水上安全法救助員の資格は、立ち泳ぎを3分間できなければ取得できません。

このように、立ち泳ぎは単なる泳ぎ方としてではなく、さまざまなシーンでの活用が可能なことから、これを機会にぜひ立ち泳ぎをマスターしてみましょう。

立ち泳ぎって?

立ち泳ぎ

立ち泳ぎは、その場に浮いたまま沈まないように立って泳ぐことです。
水面に対して体が垂直になっていて、もちろん頭も出したままです。
泳ぐという言葉よりも、水中に沈まないで留まる方法と言った方がしっくりくるかもしれません。
これができると、足のつかないところでも、顔を真っ直ぐにしたまま水の中でとどまることができます。
他の泳ぎ方と違って、体が縦になっているということ、手の力をほとんど必要とせずに、足の動きだけで行うということ、前に進むばかりではなく、とどまった状態で水に浮いていられると言った特徴があります。

立ち泳ぎの泳ぎ方

立ち泳ぎの泳ぎ方

古式泳法にも取り入れられている立ち泳ぎですが、ちゃんとした泳ぎ方を説明しているサイトは少ないのではないでしょうか。
いつの間にか泳げるようになっていたという人が多いですね。
足の動きは平泳ぎの動きがベースになります。
上半身は真っ直ぐに構え、腰から下はイスに腰かけているような体勢になります。
股関節は大きく広げ、巻き足や踏み足、あおり足で泳ぎます。

踏み足

踏み足のイメージ

踏み足とは、読んで字のごとく踏むようにキックする泳ぎ方です。
左右の足の裏で、交互に水を踏むような感じで水を蹴ります。

巻き足

巻き足のイメージ

巻き足とは、左右の足を交互に内側に円を描くように水を蹴る泳ぎ方です。
前進するときは少し後方に蹴り、留まるときは下にキックします。膝を軸にして、足首をしっかり使って、足を巻き込むような感じにします。

あおり足

あおり足のイメージ

平泳ぎでは、本来なら足の裏で水を蹴るところを、足の甲で蹴ってしまうことをあおり足といいますが、立ち泳ぎでは、左右の足を交互に前後に動かす泳ぎ方のことをいいます。
その時、前から後ろに移動する足は足の裏で、後ろから前に移動する足は甲で水を蹴ります。

エッグビーター・キックを動画でチェック!

英語でエッグビーター(eggbeater)とは「卵の泡立て器」という意味で、卵を泡立てるように水を蹴ることから、水球やアーティスティックスイミングなどのスポーツで使われる立ち泳ぎのことをエッグビーター・キックといいます。
巻き足と同じように、内側に向かって巻きこむように水を蹴るのが基本で、その際、手で∞を描くようにスカーリングを行ってバランスを取ります。
エッグビーターのやり方を詳しく知りたいという方は、こちらの動画で足の動きをチェックしましょう。

立ち泳ぎの練習の仕方

立ち泳ぎの練習の仕方

いきなり水の中に入って立ち泳ぎをしようと思っても、恐らくできないでしょう。
陸上で先にイメージをつかむために練習しましょう。
巻き足だと上半身がブレないで泳ぐことができます。足の動きのイメージができたら、プールサイドに腰かけて、足だけ水に入れてキックしてみましょう。
水を蹴る感覚が分かったら、水の中で練習してみます。
足を伸ばすわけではないので、浅いプールでも練習できます。
手は補助的な役割をするだけですので、足の動きの練習に重点をおきましょう。浮いていることができるようになったら、その時間を徐々に長くなるように練習してみましょう。
あとは持久力の問題になります。
人間は、真っ直ぐ水の中に入ると、自然に耳から上の頭が出る辺りで止まります。
頭頂部が出るだけの浮力が元々備わっているのですから、足の動きの練習次第では上半身まで浮くことができますし、もっと慣れてくると、シンクロナイズドスイミングを見ても分かるように、腰まで水の上に出られるようになります。

立ち泳ぎのメリット

立ち泳ぎのメリット

立ち泳ぎができると、もしものときに役立ちます。海で深みにはまりそうになったときや、沖に流されてしまったときなど、上半身が水の上に垂直に出ているために、手を振って自分の存在を知らせることもできますし、おぼれかけても、立ち泳ぎができれば、体勢を立て直して冷静になることもできます。
海で深い場所で泳いでいて、ゴーグルに水が入ったり、かけ直す場合なども、立ち泳ぎができれば大変便利です。
泳ぐ上での安全面を考えても、平泳ぎをマスターしているのであれば、立ち泳ぎもできるようになっておきましょう。