水泳飛び込みをこっそりマスターしよう!スタート台からの流れが重要

  • 泳ぎ方・練習方法
  • スタート台 水泳 競泳 練習 飛び込み
水泳飛び込みをこっそりマスターしよう!スタート台からの流れが重要

ここでいう飛び込みは、高飛び込みではなく、水泳での飛び込みです。
初心者にありがちなのが「腹打ち」ですね。
これで痛い思いをして、飛び込みが中々できないという人もいるでしょう。

コツをつかんでしまえば、きれいなフォームで飛び込みができます。

飛び込みって?

水泳の飛び込み

スタート台の上から号令に合わせ、水の中に飛び込みます。
飛び込みができるだけで、水泳への意欲が違います。
飛び込みが下手だとお腹を打ってしまい、痛い思いもしますし、豪快に水しぶきをあげてしまい、周りにも迷惑をかけてしまいます。
きれいに水しぶきを立てずに、流れるように水の中に飛び込むフォームは憧れですね。

飛び込みでスタートを行うのは、4泳法のうち自由形、平泳ぎ、バタフライの3つで、背泳ぎのみが、あらかじめ水に入った状態からのスタートになります。

飛び込みのタイミング

スタートの合図といえば、日本人には「位置について、用意、ドン」がお馴染みですが、2017年の国内の競泳会から海外の選手に配慮して、英語の「Take your marks.(テイク ユア マークス)」に変更になりました。

一般的な競技会では、次のようなタイミングで飛び込みを行います。

飛び込みまでのスタートの流れ
  1. 長いホイッスルの音でスタート台に上がる
  2. 「Take your marks.」の号令で静止する
  3. 「プッ」という電子音の合図で飛び込む

Take your marksの号令の後、全員が静止しなければスタートの合図は出ません。

「テイク ユア マークス」という号令の場合、いつ飛び込んだらいいか分からないという人は、こちらの動画で飛び込むタイミングをチェックしましょう。

こんなスタートは失格になります

競泳では、いわゆるフライングと呼ばれる、出発合図の前にスタートすることを「フォルススタート」といって、競技会によっては1回、または2回フォルススタートをすると失格になってしまいます。

その際、スタートの合図の前に失格が宣告された場合、元の位置に戻って再スタートとなりますが、合図の後で失格が宣告された場合は、そのまま競技は続行されます。

さらに、故意にスタートを遅らせたり、不正な行いに対する指示に従わなかったりすると、審判長の判断で失格になることがあります。

水泳のスタートの種類

飛び込みがうまくいくかどうかは、スタートが大きな鍵を握ります。特に、飛び込み方を一歩誤ると大きな事故につながることから、ご自身のスキルを考慮しながら、次の3つの中から選ぶといいでしょう。

1.グラブスタート(Grab Start)

グラブスタートとは、両足を揃えて飛び込むスタート方法です。グラブ(Grab)とは「掴む」という意味で、前屈みになってスタート台の前縁を両手で握り、台を押すように飛び込むのがこのスタートの特徴です。初心者や子供に取り入れやすいスタートです。

2.トラックスタート(Track Start)

トラックスタートとは、片足を後ろに下げた状態で飛び込む方法です。クラウチングスタートとも呼ばれ、前屈みになってスタート台の前縁を両手で握り、飛び込む瞬間、後足に置いた重心を前足に移すことによって、勢いをつけて飛び込みます。

水泳飛び込みの種類の一つトラックスタート

3.キックスタート(Kick Start)

キックスタートとは、「バックプレート付きスタート台」と呼ばれるスタート台の後方に設置されている、傾斜部分に片足を乗せて飛び込む、トラックスタートの一種です。飛び込む際にバックプレートを蹴ることより、通常のスタート台に比べて飛距離や空中速度が増します。

ただし、キックスタートは他のスタートよりもパフォーマンスが高い一方で、水底への到達時間が短くなることから、日本水泳協会はプールの飛び込み事故を防ぐために、「バックプレート付きスタート台に関わる科学的知見と提言」で、初心者のバックプレート付きスタート台の利用について注意を呼びかけています。

飛び込みを失敗しないための5つのコツ

水泳の飛び込みがうまくいかないと、水面に腹部を打つ腹打ちのほか、顔面や腹部を強打するといった失敗があることから、次のようなコツを参考に飛び込みをマスターしましょう。

飛び込みのコツ
  1. 離台の際に体を前方に押し出す
  2. 顎をしっかり引く
  3. 全身を真っ直ぐ伸ばす
  4. 一点入水を心がける
  5. 30度の角度で入水する

スタート台から離れた後、顎を引いて、腕を耳の後ろに付けて肘をしっかり伸ばし、指先から入水することを意識すると、腹打ちを防ぐことができます。

その際、入水角度が大きすぎると、深く潜りすぎてしまうため注意が必要です。また、入水後は水底と並行になるように、体を素早く真っ直ぐ伸ばしましょう。

水泳スタート飛び込みのコツ

ここで紹介した5つの飛び込みのコツを踏まえて、トラックスタートのやり方を紹介している次の動画で、飛び込み方をチェックしましょう。

飛び込みの練習

プールの中

いきなりスタート台から飛び込むには、恐怖心の方が先に立ってしまいます。
スタート台が無理ならば、最初はスタート台を降りて、一段低い所からチャレンジしてみましょうとするところもあるようですが、最初は水の中で飛び込みの練習をしたほうがいいでしょう。
高い場所から飛び込むよりも、手の位置などが確認できますので、最初はイメージをつかむつもりで水中から始めます。

練習方法

水の中に台を置き、その上に立ちましょう。
足を前まで出して、指全体で角をつかむようにします。
頭の上に伸ばした両手は、耳を挟むようにしてかまえます。
指先は分かりやすくいうと、重ねるようにして親指を内側に入れます。
手が離れないように構えるといいでしょう。
耳を挟むように構えることで腕よりも顔が若干したにきます。
軽く膝を曲げて構えた腕を伸ばした状態で、上半身を前かがみにします。
構えた指先が水についたら足を蹴ってみましょう。
指先が水に入った地点から、頭、腰、足先と順番に水に入るのが理想的です。
水に体が入って伸びるときに、構えた腕を水面に向けて上向きにすると、飛び込んだ後の泳ぎのフォームに入りやすくなります。
こうしなければ、体の進行方向が上にいかずに、うまく泳ぎに移行することができません。
何度も練習してうまく水の中から飛び込めるようになったら、水の中で手足を動かさないで、飛び込んだ勢いでそのまま進んでみましょう。
飛び込むイメージと、飛び込んだあとのイメージができたら、今度は飛び込んだあとに足をキックさせてみます。
どのような感じで水面にあがるのか、体で覚えていきましょう。

スタート台から飛び込む

飛び込みの練習

水面から少し位置が高くなりますので、ちょっと怖いと思うかもしれませんが、慣れると飛び込みも楽しくなります。
練習次第で上手に飛び込めるようになりますので頑張りましょう。
怖がって勢いがなければ腹打ちしていまいますので、思い切って飛び込んでみましょう。

飛び込むまでの流れ

スタート台の上に立ったら、前に出て台の角に足の指を出します。
足の指で角をつかむようにして立ちます。
膝を曲げて前屈みになり、指先を足の指に触れるように構えます。
次に、膝を使って全力で台を蹴ります。
スタートの号令で、思いっきり台を蹴りましょう。
蹴ったときの腕は、水中での練習のときのように、耳を挟むようにして構えます。
このポーズがちゃんとできていれば、自然にアゴが引いた形になります。きちんと耳を挟んでいなければ、アゴがあがり、流れるようなラインができないので、腹打ちをすることになります。
指先から、頭、腰、足の指先の順番で水に入ることを意識するのを忘れないようにしましょう。
これさえ守っていれば腹打ちすることはありません。
注意することは、足を広げて飛び込まないということです。
水しぶきをあげないきれいな飛び込みは、足を開いていてはできませんし、水の抵抗を受けてしまいます。
飛び込んだ瞬間、手を上に向けるのを忘れないでください。
水泳の型に入りづらくなってしまいます。

知っておきたい飛び込みに関するルール

競泳では、飛び込んだ後にも守らなければならないルールがいくつかあります。

ここでは、日本水泳連盟の「競泳競技規則」をもとに、飛び込みを行う際に知っておくべきスタートのルールについて解説していきます。

自由形(クロール)のスタートに関するルール

スタートして15mを過ぎたら、体の一部が水面上に出ていなければならない

自由形では、飛び込んだ後の15mは体が完全に水没してもいいことになっていますが、それ以降は体が水面から出ている必要があります。

一般的な競技用のプールの底面には、両端壁から15mの位置にクロスラインが設置されているので、泳ぎながらチェックしましょう。

平泳ぎのスタートに関するルール

  • スタート後の最初の一かきの始まりから、体はうつぶせでなければならない
  • 二かき目以降、頭の一部が水面上に出ていなければならない
  • 二かき目以降、両手をヒップラインより後ろに戻してはならない

平泳ぎでは、飛び込んだ後の一かき目は体が水没していてもいいのですが、それ以降は完全水没するのはNGです。

また、一かき目のみ、手を完全に脚のところまで持っていくことができるほか、バタフライキックをしてもいいことになっています、二かき目からは、通常のかきと蹴りをしなければなりません。

バタフライのスタートに関するルール

  • スタート後、最初の腕のかき始めから、体はうつぶせでなければならない
  • スタートして15mを過ぎたら、頭は水面上に出ていなければならない

自由形と同じように、バタフライでも飛び込んでから15mの間、体が完全に水没していても構いませんが、それ以降は、頭が必ず出ている必要があります。また、15m地点までの水中では、後方へのかきを1回、キックを数回行うことができます。

危険な飛び込みにご注意ください

プールでの飛び込みでは、過去に重大な事故が起こっていることから、小中学校では飛び込みによるスタートは禁止になりました。慣れているからといって、誤った飛び込み方を行うことによって事故を引き起こす恐れがあるので、くれぐれも注意しましょう。

危険な失敗飛び込みの例

危険な飛び込みには、次のような特徴があります。(参考:スポーツ庁 水泳等の事故防止について「スタート指導での留意点」)

初心者に見られる危険なスタート
  • 顎を引きすぎている
  • 膝が曲がっている
  • 入水位置がスタート台から近すぎる

初心者の場合、フラフープのような目標物を使った練習は危険なため、絶対にやめましょう。また、垂直に近い角度で入水してしまうと、プールの底面にぶつかる可能性が高くなります。

熟練者に見られる危険なスタート
  • 高く跳びすぎている
  • 頭が中に入りすぎている
  • 腰が曲がっている
  • 入水角度が大きすぎる
  • 手首がきちんと伸びていない

熟練者の場合は特に、飛び込んだ際に高く飛んで、「へ」の字に体を曲げた状態で指先から入水する「パイクスタート」は、入水角度が大きくなってしまうため注意が必要です。