水の中を泳ぐのに適した体を持たない私たち人間が、いかに水の抵抗を少なくして体にかかる負担を少なくし、速く泳ぐことができるかというのは、水泳界の課題だったことでしょう。泳ぐフォームも様々な改良がなされて数々の泳法が考案されてきましたが、同時に水着もスピードが出るように、水の抵抗を極力少なくするようにと改良・開発されてきました。
1980年代
1980年代では薄くて軽く、体に密着してできるだけ水着から水をはじくよう、素材やカッティングに手法や手段を凝らしていました。現在と違い、水着が体を覆う面積を極力小さくするために、ハイレグカットの水着が主流になり、水着の中に取り込まれた水をどうやって外に出すかに最も力が注がれました。
1990年代
1990年代に入ると、それまで水着の表面を滑らかにして、撥水性をよくしていたのに対し、あえて生地表面に凹凸をつけることで、水の流れが若干乱れ、そのことにより、体の型に沿って水が流れ、結果的に水の圧力による抵抗が少なくなります。各水着メーカーは、こぞって素材や生地表面の加工を工夫するようになり、水への抵抗の軽減と、選手が着用する際の着心地の開発に取り組みました。
2000年代
2000年代に入ると、水着の形状も大きく変化します。シドニーオリンピックの水泳を観戦して驚いた方も多いかもしれませんが、全身を包み込む、フルボディースーツの水着が目を引きました。鮫肌を思わせる手触りで、V字の溝と鱗のような撥水加工を施された水着になります。この新素材は、選手の動きを妨げることなく体全体を覆うことができるデザインを可能にしました。