クロールの泳ぎ方

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クロールの泳ぎ方

4泳法の中でも、クロールは基本的な泳ぎになります。全ての泳ぎに通じていきますので、クロールはしっかりマスターしておきましょう。
クロールは通称「フリー」とも呼ばれています。
フリースタイルの競技で、ほとんどの選手がクロールで泳ぐことからこう呼ばれています。

クロール足の動き編

クロールの足の動きは、バタ足と呼ばれることから、ただバタバタと蹴っていればいいと思われがちですが、速くに泳ぐためにはさまざまなテクニックが求められます。

クロールのキックのコツ

クロールのキックのコツのイラスト

クロールでの足使いは、コツをつかむまでは難しいかもしれません。
しっかりとバタ足を習得していれば、スピードにもつながっていきます。もちろん手の動きもしっかりと身につけなければいけません。

足首の動き

足首は力を入れずにブラブラの状態にします。尚かつつま先を伸ばし、足首が伸びている状態が望ましいです。
足首をやわらかい状態にしておくのが上手なキックをするコツです。

膝の動き

よく自己流で泳ぎを覚えた小学生が、水しぶきを上げながらバタ足をしているのをプールで見ますが、これは膝が曲がっているからです。
膝は力を抜いて真っ直ぐに伸ばしましょう。
こうするとわずかに膝が曲がります。
本当に膝が真っ直ぐに伸びている状態では力が入っている証拠になります。

ももの動き

キックはももを動かして蹴ります。
ももをしっかりと動かして、膝、足首へと折れずに柔らかく曲がるように連動させます。
キックの練習をたくさんすると、お尻が筋肉痛になると思いますが、正しいキックをしている証拠になります。

クロールのキックのタイミング

基本的なクロールのキックのタイミングは、反対側の手が入水する時です。具体的には、右手が入水する時には左足で、左手が入水する時には右足で蹴ります。

クロールでは、左右の手でそれぞれ1回水をかく動きを1ストロークとカウントしますが、その1ストロークの間に蹴る回数によって、キックを打つタイミングは次のようになります。

1ストローク2ビート

2ビートとは、1回のストロークの間に2回蹴るキックの打ち方です。
右手が水に入る瞬間に左足で1回、左手が水に入る瞬間に右足で1回、合計2回キックを打ちます。

2ビートのキックのタイミングを動画でチェックしてみましょう。

2ビートは蹴る回数が少ない分、スピードが出ないため速く泳ぐことはできませんが、体力の消耗が少ないことから、長距離を泳ぐ際に向いているとされています。

1ストローク4ビート

4ビートとは、1回のストロークの間に4回蹴るキックの打ち方です。
右手が水に入る瞬間に左足と右足で1回ずつ、左手が水に入る瞬間に右足と左足で1回ずつ、合計4回キックを打ちます。

4ビートの場合、2ビートよりも速く泳ぐことができますが、足の動きが左→右→右→左のように、変速的なキックの打ち方になってしまうため、初心者は難しいと感じるかもしれません。

1ストローク6ビート

6ビートとは、1回のストロークの間に6回蹴るキックの打ち方です。
右手が水に入る瞬間に左→右→左で3回、左手が水に入る瞬間に右→左→右で3回、合計6回キックを打ちます。

6ビートのキックのタイミングを動画でチェックしてみましょう。

6ビートは、2ビートに比べて速く泳ぐことができるため、短距離や中距離で使われています。一方で、体力を消耗しやすいことから、無理をせずに短い距離からはじめるといいでしょう。

クロールのキックの上達ポイント

クロールのキックはダウンキックといって、足を蹴り下ろす際に、足の甲で水を捉えることによって推進力を生み出します。

そのため、足の甲を上から下に打ち付けるように蹴り込んでしまうと、進行方向とは別の方向に推進力が強く働いてしまって、速く進むことができません。

悪いクロールキック例のイラスト

それに対して、脚をムチのようにしならせて、蹴る力が後ろに向かうように水を蹴ると、推進力が前方に働くため、効率的に前に進むことができます。

良いクロールキック例のイラスト

クロール手の動き編

足の動きに続き、クロールの手のかきについて解説していきます。キックとタイミングを合わせるためにも、左右の腕をリズミカルに動かしましょう。

クロールの腕のかき方

図解:クロール手の動き

水泳で、手で水をかくことを「プル」といいます。
プルには3種類あり、ストレートプル、C字プル、S字プルとありますが、初心者はストレートからはじめましょう。
徐々にC字、S字と移っていきましょう。
共通していえることは、遠くに手を入れて、遠くから出すということです。
手を水に入れる、引く、押す、水から手を出す、腕を前に戻す、この5つの動作があります。

クロールのストローク

手で水をかく動きのことをストロークといいます。クロールの場合、左右の手で交互に水をかきますが、次のようなエントリーからリカバリーまでの5段階に分けられます。

1.手を水に入れる~エントリー

クロールの泳ぎ方図解1「エントリー」

泳いでいて手で水をかくときに、まず少し外側に手のひらを向けるようにします。
一番水の抵抗を受けない方法で、人差し指から水にはいることになります。
手を真っ直ぐに入れてしまうと、水の抵抗を受けてしまいますので気をつけましょう。

水の中に入った腕は、思いっきり肩から伸ばすようにして前に出します。
こうすると、反対側の手よりも前に出ることになります。もちろん腕は真っ直ぐ前に伸ばすことがポイントです。

左右の腕の動きのタイミングですが、初心者は指先を揃えてから次の腕をあげるようにします。
スピードを求めるのであれば、上にあげた手が水に入る前に反対側の腕のプルを始めます。

2.腕を引く~キャッチ

クロールの泳ぎ方図解2「キャッチ」

水に入った腕を引く動作をします。肘は高い位置をとり、脇を閉じないようにして体の近くをかくようにします。
体から離れすぎた位置だと、真っ直ぐ泳ぐことができませんので注意しましょう。

3.押す動作~プル

クロールの泳ぎ方図解3「プル」

水を押して前に進む力を助ける動きです。
腕を引いて水の中に入ったら、今度は水を押して、ももにつくくらいまで伸ばします。
押す動作の最後には、手の平は上を向いているようにします。

4.水から手を出す~フィニッシュ

クロールの泳ぎ方図解4「フィニッシュ」

押す動作のあとには、水から腕をあげる動作に移ります。
肘が水中で伸びきったら、上方向に肘をあげるようにして手を抜きましょう。
水しぶきが後ろに飛ぶようなことがあれば、押す動作が終らないうちに腕を上げてしまっている証拠です。

5.腕を前に戻す~リカバリー

クロールの泳ぎ方図解5「リカバリー」

水から腕を出したら、元に戻す動作に移ります。
なるべく低い位置を保ちながら体の近くを通って腕を前に戻します。
肩を回しながら、肘を高くあげて前にもどすとうまくいきます。

クロールのストロークのアニメーション動画

手の使い方のポイント

クロールでは、手がボートを漕ぐオールの役割を果たしますので、指先と手のひらを使って効率よくしっかりと水をかく必要があります。

指先を開く幅はどれくらい?

まずは指先ですが、キャッチからプル、フィニッシュにかけて水をかく時には、指と指の間隔が少しあいているくらいがベストです。ぴったりと閉じてしまうと、水を受ける面積が小さくなってしまいますし、あまり開けすぎると、指の間から水が抜けてしまうのでうまく水をかけません。

クロールの手の指と指の間隔

手のひらの向きはどっちか?

エントリーの際、手のひらは、水面に対して角度が45度になるように入水します。そして、手のひらを下に向けるダウンスイープでキャッチに移り、プルに入ると、水を体の下に水を集めるように内側に向けるインスイープとなり、アップスイープで水を後方に押し出してフィニッシュとなります。

手でしっかり水をかけているかどうかは、手のひらで感じる水の抵抗によって分かります。手の入水後、水を掴んでいる感覚があれば、うまく水がかけている証拠です。

クロールのローリングの重要性

ローリングとは、手で水をかく際に、肩の動きに合わせて体が左右に傾く動きのことで、リカバリーを行っている方の肩が上がっている時、反対側のプルを行っている方の肩が下がっています。

まずは、ローリングの動作について、実際の動画で確認してみましょう。

クロールでは、ローリングを行うことによって、次のような効果が得られます。

ローリングのメリット
  • 息継ぎしやすくなる
  • 腕の動作がスムーズになる
  • リカバリーが素早くできる
  • 肩への負担が軽減される
  • 速く泳げるようになる

クロールの泳ぎでは、リカバリーの際に無理に肩関節の動きをすると、水泳肩(スイマーズショルダー)と呼ばれる腱の炎症などのトラブルが起こりやすいため、ローリングで肩の負担を減らしてあげることが大切です。

また、通常はスピードが出ると、水面で起こる造波抵抗が大きくなって、その逆にスピードが抑えられてしまうのですが、ローリングによって体が傾くと、波が起こる範囲が狭まって抵抗が小さくなることから、スピードが出やすくなります。

このように、ローリングはクロールの泳ぎに欠かすことができない動きのため、普段から意識しがら泳ぐことを心がけ、しっかり身につけておきましょう。

クロール息継ぎ編

図解:息継ぎの方法

息継ぎがうまくできないという人は多いでしょう。
タイミングさえつかんでしまえばきっとできるようになります。
胸のあたりをかいているときに顔を横に上げ、あばら骨を通り過ぎる頃に息を吸います。
このタイミングが遅すぎると頭があがってしまうので、息継ぎが苦しくなってしまいます。

息継ぎで大事なことは、「息を吐く」ということです。
吐かなければ息を吸うことはできません。
十分水中で鼻から息を出しますが、全部出し切ってはいけません。
顔をあげたときに「パッ」としなければ、顔の周りの水を飛ばすことができずに、水を飲んでしまうことになります。

最後の一呼吸は残しておきましょう。
こうすることにより、自然に息継ぎをすることができます。
息継ぎのときの顔は、脇を見るようにすると、口から水面に出ることができますので、スムーズに行うことができます。
慣れるまでは水を飲んでしまうかもしれませんが、練習を重ねるうちにきっとできるようになるでしょう。

クロールの目線の向き

泳ぐ際の目線は、斜め前に向けるとバランスを取りやすくなります。

進行方向に対して真っ直ぐ前を見ようすると、目線が高くなることで顔が上がりすぎて、下半身が沈む原因になります。逆に、目線が下向きすぎると顔が下がるため、肩で受ける抵抗が大きくなってしまいます。

頭から腰にかけてのラインが一直線になるように意識すると、自然に目線が正しく向くでしょう。

クロールで泳ぐ際は、目線の向きがフォームに大きな影響を与えるため、日頃から顔の向きや頭の位置に気をつけながら泳ぐことが大切です。